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食えるらしいぞ。




ちょいと早めの夏休みの読書感想文にもおすすめ。

■ 素数ゼミの謎 吉村仁
  文芸春秋社

17年かけて成長しては数十億匹という単位で発生する、とんでもない蝉のお話。

17年という周期を獲得するにいたった進化のメカニズムを、子供にもわかりやすい文章と、軽く鳥肌が立ちそうなわくわくするイラストで解き明かしてみせてくれる。

大人なら30分もあれば読める内容だけど、ほんの少し想像力を飛ばせば、氷河期までさかのぼる気の遠くなるような時間の旅を経験できる。


自分が今ここに生きていくうえで、欠かせない人々との出会いの数々も、こんな永い時間の中で起きたおろそかにはできない貴重なものであることよなぁと、しみじみ思ってしまった。


ついでながら「世界最大の昆虫」でぐぐると「象」につきあたります。本当


もっとついでに「世界最大のごきぶり」は……これは本当に興味がある方だけどうぞ。

「ミュータント」ディーニーに、ちょっと惚れていた。

しばらく前に、久しぶりに聞いたカーペンターズ。
がきんちょ当時には、絶対に理解できんかったあまりの歌のうまさに感嘆したのもさることながら、当時の邦題のつけ方のええ加減さにも、ある意味あらためて舌を巻いた。

「青春の輝き」とか「愛のプレリュード」、「愛は夢の中に」……実はどれも原題が思い出せなかった。

当時の洋楽はみんなこんなもんだったよな。

で、カーペンターズと比べるとかなり最近なんだが、それでも前世紀。

■ 「心のとびら」 タビサ・キング
   福武書店 
   
原題は「ONE ON ONE」

こいつもどこをどうひねれば「心のとびら」になるのか、こっちが首をひねるばかりではある。

当時えらく胸をアツくして読んだ記憶があったのだが、いかんせんまたしても図書館で借りて読んだもので、最近になって読み返したくなり、古書店をネットで探して購入。
文庫化もされなかったし、世間の評価はあまり高くなっかったのだろうな。

もちろん「世間の評価」なんぞに気をとられていては眼谷猪三郎はやってられない。笑っ
今読んではたして本当におもしろいのかもわからんのだが、まぁつまらなければそれもまた発見。
いかんせん当時も今も「恋愛小説」になんか免疫ないし。

God bless you,Mr.Vonnegut.

今日は世界中のはwebページで、こんなふうに始まる文章が掲載されるのであろうな。

カート・ヴォネガット。享年84歳。
アメリカから大きな良心が失われたような気持ち。

当の本人は「God bless you,」なんて言われても、苦笑いしそうだが。

10何年か前に、恋人と住み始めた友人が、二人で借りた一軒家を「GARAPAGOS」と呼んでいたっけ。
ちょっとうらやましかった。

「太陽の男たち」


地元紙の文芸欄に、岡真理氏の一文。
カナファーニーの「ハイファにもどって」の新訳を連載しているらしい。

ガッサーン・カナファーニー。
12歳でイスラエル建国にともない難民となり、難民キャンプでの暮らし。
PFLPのスポークスマンを勤めるかたわら、いくつかの小説を書き、72年、車に仕掛けられた爆弾で暗殺される。
2年ほど前に、イスラエルが犯行を認めたという。

実は、書棚に彼の「太陽の男たち」がかれこれ20年、恥ずかしながらまだ、読まずに、ある。

20年前当時、なんで読まなかったかは、そこはそれ、若いなりのあんなことやこんなことがあったのだが、どうやらこれも「時が満ちた」ということなのか。

20年前に読んでいたら、その後の人生でとっくに古本屋に売り払っていたのかもしれず、40半ばの自分は読むことがなかったのかもしれない。

こんなふうに、巡ってくるのだから、人生無駄なものなどないよな。

交差

昭和の最高の小説家であると独断している山田風太郎さんの「戦中派不戦日記」。
焼け出された疎開先、後に奥様となられる少女との邂逅のシーンが、小さな宝石のように埋め込まれている。

久しぶりに読み返したら、鳥肌ものの発見。

この、疎開先の町を、おれは、「よく知っている」。

もう、4、5年前になるのか、決して楽ではなかったが、やり甲斐もありそれなりの達成感もあった仕事で、2月ほど逗留した東北のある町。

あぁ、そうか、あの町で。

町の風景やら、吹きわたっていた風やら、人のいい監督や皆で喰った芋煮にいたるまで、フラッシュバック。
また、ちょっと泣いた。

工事は老朽化した小学校の建て替えだった。
旧校舎も、美しくこそないが、味のあるいい建物だと思っていたのだが、廃材で町の遊歩道のベンチを作ったと、後に知って、嬉しかった。

風太郎さんの思い出と、おれの記憶が交差する土地、いつかまた訪れてみたい。

「敵愾心」

隆慶一郎さんの唯一のエッセイ集「時代小説の愉しみ」のあとがきに、明らかに網野善彦さんのことを語っておられると思われる一節がある。

「~きまった土地も家も持たず、全国を放浪して一生を終えた人々。更には海人・山人・輸送業者。こうした一種の自由人たちの眼で歴史を眺めたら、一体どんな様相が展開するか。~中略~ 歴史家に負けてたまるかと、秘かに敵愾心を燃やしているのである。」

■ 時代小説の愉しみ 隆慶一郎
  講談社文庫

網野さんはこの文章を読まれたのだろうか?

隆さん同様の頑固者の網野さんのことだから、お読みになっていたら「こっちこそ負けない」と、同じライバル心を燃やされたかもしれない。

実際には、隆さんはこのあとがきを書かれたのも入院先。
この本が出版された3ヶ月後には、亡くなっている。


今頃あちらで、お二人で酒など酌み交わしているのであろうな。

目次




大変興味深いジャンルであるのに、ものを書いてオアシをいただく稼業の方としていかがなものか。

この調子で16章までぜ~~~んぶ
「~~何か」

もちろんちゃんと正規に代金を払って買ったはいいが、毎回目次で挫折してしまう。

ニーチェ全詩集




昭和50年、人文書院

開いたのもいつ以来かおぼえていない。
懐かしい友人の書き込みに、震えた。

マックィーンは結構好き。

映画自体は特別好きというわけではないが、携帯電話を新しくするたびに、必ず着メロサイトからDLしてしまう「大脱走マーチ」

不屈の闘争…逃走精神?

わかりやすすぎて、あんまり首肯したくない精神分析なんかも出てきそうだが、刑務所ものとか、脱走ものには、わりと惹かれる。

吉村昭 「破獄」

山田風太郎 「地の果ての獄」
これは当然「明治十手架」とセット♪

あ、山下洋輔 「ドバラダ門」


札幌から車ならほんの1時間ばかりの町、蝦夷地に最初に刑務所が置かれた町のはずれ、ずっと前に友人に案内された、囚人たちの墓地は、全く同じ墓石が規則正しく並ぶ、一度見たら本当に忘れられない光景だった。


蝦夷地の刑務所といえば誰でもが思い浮かべるだろう網走は、実際に行けば刑務所を観光資源として飯のタネにしているあの姿勢も、もちろん賛否あるだろうがここではそれ以上踏み込まない。



たまたま入ったセコハン書店で、眼について「今日はこれを買いに来たらしい」
と、勝手に納得した

■ 山谷一郎 五寸釘寅吉の生涯
          ~脱獄歴六回の記録保持者
オホーツク書房 網走文庫

、結構面白そうである。

古い本をひとつ



昭和32年、新樹社 
シェークスピヤ全集 「ロミオとヂュリエット」(どちらもママ)
坪内逍遙 訳

古書としての価値は、多分ない。
裏の見返しには、以前持っておられた方の、学校とお名前が書き入れられ、本文にも書き込み。汚れもある。

多分高円寺のガード下の古書店で買った。
「150円」値札も付いたままだ。

シェークスピアは、面白いのだ、と初めて教えてくれて本だった。


せっかくだから、大好きな一節を引用しておこう。

第1幕第3場、ヂュリエットの乳母が昔を回想して、幼いヂュリエットが転んだ話をするところ。( )内は、ルビである。

「でもな、眞實(ほんたう)に小額(こびたひ)の處に雛鶏(ひよっこ)のお睾丸(きんたま)程の大きな腫瘤(こぶ)が出來ましたぞや」


「ひよっこのおきんたま」

( ̄毳 ̄)-~~


なんと、味わい深い。
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