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共震。いかにたやすくないことであるか。

この夏の一番の期待作はブログでもTwitterでもFBでも何度も書き散らしたが相場英雄の「みちのく麺食い記者」シリーズ最新作「共震」だった。

たぶん主人公の、宮沢記者と共に東北六県を巡った相場英雄が、震災とその後をどんな言葉で語ってくれるのか、去年新作がアナウンスされた時から待ちわびていた。
おりしも東北に出張、また東北の地で麺食い記者の新作を読むことになる縁の深さを勝手に感じてた。

発売早々、宮城県某所で、書店をハシゴしたてやっと見つけて暴読。
期待通りというより期待以上に、「部外者」が東北と真摯につきあうことの困難も後ろめたさもそれでも語らずにいられない東北の魅力も、たっぷり書いてくれていて大満足、いや、益々アイバの次回作に期待が膨らんだと、最大の、賛辞を送っておく。
これだけの言葉を、東北ネイティブではない立場から語る、取材で見聞きしたであろう身を切られるような胸をわしづかみにされるようなエピソードの数々と、モノ書きのプロとして向かいあう唯一の手段として、本気の言葉を書くという行為の困難さは、察してあまりある。本当によくぞこれだけ書いてくれた、と心から思う。

こちらはというと、2年ぶりに仙台に来た。
あの春、見渡す限り汚泥とガレキしか見えなかった仙台東部道路の海側に、青々とした田んぼが広がっていたのは心からほっとした。あの時には仙台や沿岸で散々ガレキまみれの農地を見た後で、内陸の山間に、植えられたばかりの田んぼのささやかな稲の苗の緑を見た時に涙が止まらなかった。

仙台は工事現場ラッシュ。
宿舎の周りはたぶん津波に浸かった辺りだが、新しい家屋が立ち並び、2年前には東北本線も動いていなくて歩いた現場の周辺も次々と新しい商業施設や娯楽施設が作られている。そんな場所にパチ屋を建てるのが、今回のお仕事で、ある。

現場の、通りを挟んで、あの頃にはまだ建設中だった仮設住宅。

仕事しながら凡庸なアタマの中をそれでも人並みの思考が駆け巡る。仮設住宅の隣にパチ屋を建てて、カネをまきあげる構図。

全国チェーンのショッピングモールや、ホームセンターが次々にできるのが、本当に「復興」なのか?

もちろん、雇用が生まれて消費が上向いて、生活が豊かになっていくことにこしたことはない、んだろうけど。2年前の春にはそんなわかりやすい「豊かさ」をもう一度根っこのところから問い直したいような言葉が、たくさん飛びかってたように記憶してるのだが。

どんな「東北の未来」を、この地の皆さんと、多少なりとも東北と袖ふりあってしまった私らが、考え、用意していけるのか?

エラそうなことを、考えてもWebに書き散らしても何ができるわけでもない。淡々とパチ屋建設に加担する。
罪深い、とも思うが、この身が背負えるモノの限界くらいは承知もしている。

相場英雄は「共震」を読んだことをTwitterで書いているアカウントにひとつひとつ丁寧に「共に震えてくださってありがとうございます」と返信している。おれも丁寧なご挨拶をいただいた。
なんてえ、マメな方なのだ!とも思う。

だけどこんな風に東北とつきあいながらも、いんや、つきあえばつきあうほど、例えば「寄り添う」なんていう耳に優しい口当たりのいい言葉を、本当に体現することは難しくなるんだ。たやすくないから、益々、震え続けるしかなくなる。

またアタマの中をマリーネ•ディートリッヒのあの曲が自動再生される。

いつになったら私らは本当に学ぶのだ?
http://youtu.be/KKxaMAxC3Go

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